Veljo Tormis "Ellerhein"

Veljo Tormisはエストニアの合唱を使った作曲家として知られている。彼の作品は近年ECMからリリースされており世界的な注目を集めている。
このLPはソビエト時代の作品で国営レーベルのメロディヤからリリースされた合唱作品である。
エストニアに古くから伝わる民謡をルーツにした作風はECMのリリースと変わらないが、このLPは当時のソビエト連邦のリスナーに向けたもので、より深くその民族性が浮かび上がってくる。シャーマニズムと関連する合唱も含まれている。層になった幽玄な女性コーラスが美しい。
作曲家がそのリスナーを意識するのは多かれ少なかれ当然のことである。ここではそのルーツを説明抜きで理解される状況だからか深い響きが聞き取れる。
私たちにとっては遠い国の古のリアリティーに触れるようで現実の空間を忘却できるような音楽である。

Veljo Tormis
Kammerkoor <>
Tonu Kalijuste:Juhastusel

C10-17089-90
1981 Firma Melodia