Novaia Liustra & Masahide Tokunaga ”NETORI”

omay_yad2006-12-26

タイトル:"NETORI"
アーティスト:Novaia Liustra & Masahide Tokunaga
レーベル:Novaia Liustra Edition
シリアル:NOV-001
制作情報:CD 2005年 日本

Novaia Liustra はMasayuki Yasuhara Yoshihisa Nakanoによるインスタレーションやワークショップ等を展開するユニットである。Nakanoはサイン波を、Yasuharaのテルミン、徳永将豪はアルトサックスを演奏している。ゆったりとした持続音による9分と21分の即興演奏である。NETORI「音取り」とは雅楽の最初に楽音を紹介する演奏のことである。3種の楽音は似ており一見判断しづらいが、聞き取れるようになると興味深い空間が表われる。まったく倍音のないサイン波、電子的な倍音によるテルミン、アコースティックで豊かな倍音を含むサックスと構成される楽器自体の波形が段階を持っており、これらが一斉に空間に放たれる。これを「ドローン系」と安易に判断すべきではないだろう。このような分類による納得はバーコード以下である。
Novaia Liustra の中野良寿は絵画を実践していたが、90年台初頭に英国に留学し、シュタイナー神智学を学んできた。発音には何らかの影響があるのだろう。徳永は東京をベースに活動を展開している若手演奏家である。最近は回を追うごとに腕を上げ、その展開に眼が離せなくなっている。