“Hora Harmonica” Albert Mayr

omay_yad2007-01-10

タイトル:Hora Harmonica
アーティスト: Albert Mayr
レーベル:Ants
シリアル:AG02
制作情報:CD/2002年/イタリア

Albert Mayrは西洋和声概念に着目しこの作品を作った。元は83年に作曲されたものだが、音盤として実現されたのはこれが初めてのようである。作品の構成は空白の中で12の単音が一定周期で音を繰り返すものである。周期とはいってもかなり長い。
B1は60分周期、B2は30分周期 F#3は20分、 B3は15分、D#4は12分、 F#4は10分、 A4は8分34秒、 B4は 7分30秒、 C#5は6分40秒、 D#5は6分、 E#5は5分27秒、 F#5は5分周期。空白の中サスティンの長い滑らかな電子音が発せられる。最長のB1の電子音は始まりと終わりに一回づつ、最短のF#5は60分のうち15回鳴らされる。ところどころのポイントで電子音は同期し、和声を発する。ブックレトに掲載されている発音タイミング表の各々の発音ポイントは時間軸を縦に線対称を形作る美しい放物線になっている。
Horaは伊語で「時間」である。「音は周期となり、時間は音楽となる」「この作品はコンサート・ピースではなく、どちらかと言えばインスタレーションに近いものかもしれない。再生されるべき空間は人が集まる公的な場所が望ましい」とAMは語る。
しかし、この作品は楽曲として接した方が刺激的ではないだろうか。美的であることを超え、時間と周期による和声は明解な調和を描いている。